顔を出さずに話し相手がほしい、と思ったとき
誰かと話したい、と思う。でも、通話はしたくない。顔も出したくない。名前も知られたくない。
この二つは矛盾しているようで、たぶん同じ人の中に同時にある。話したくないのではなく、話すまでの手続きが重い。相手に時間を使わせている感じがする。返事を考えなければいけない。既読がついたのに返せない時間が気まずい。
ひとりでいるのが嫌なわけでもない。ただ、今日は誰の声も聞かなかったな、と思う日がある。その程度のことを解決するために、誰かに連絡するのは大げさすぎる。
そういうときに、少しだけ距離のある話し方ができる場所がある、という話をします。
「話したい」と「話せない」は同時に起きる
人と話したい気持ちと、人と関わるのが億劫な気持ちは、たいてい一緒に来ます。どちらかが嘘というわけではありません。話したいのは本当で、面倒なのも本当です。
友人や家族に連絡しづらいのは、関係が悪いからとは限りません。むしろ近いからこそ、何もない日に連絡する理由が思いつかない。用事がないと話しかけられない相手、というのは意外と多いものです。
- 通話は、相手の時間を丸ごと取ってしまう感じがする
- カメラをつけると、部屋も服装も髪型も気にしなければいけない
- 文字だけのやりとりは、返事が来るまでの間が長い
- 知り合いだと、話した内容がずっと記憶に残る
「話し相手がほしい」と検索する人の多くは、深い相談をしたいわけではありません。悩みを解決してほしいのでもない。ただ、こちらの発言に誰かが反応してくれる状態がしばらく続いてほしい。それだけのことを叶える手段が、意外と少ないのです。
つまり欲しいのは「会話」そのものというより、こちらの負担が軽いまま成立する会話です。こちらは文字でいい。相手は声で返してくれる。そのくらいの非対称があると、ちょうどいいことがあります。
この非対称は、手抜きではありません。話しかけるハードルが下がると、話しかける回数が増えます。回数が増えれば、何を話すか毎回考える必要も薄れていきます。「おはよう」で始まって「寝る」で終わる、その程度の会話で足りるようになることもあります。
それが夜に来るのには理由がある
話し相手がほしいと感じるのは、たいてい夜です。昼間は仕事なり用事なりが勝手に時間を埋めてくれますが、夜はそれがなくなります。静かになった分だけ、その日誰とも話していないことに気づきやすくなります。
しかも夜は、連絡しづらい時間でもあります。二十三時を過ぎると、相手が寝ているかもしれない。明日仕事かもしれない。起こしてしまうかもしれない。そう考えているうちに、送ろうとしていた文章を消すことになります。
結果として、いちばん話したい時間帯が、いちばん話しかけにくい時間帯になります。ここが埋まらないまま、翌日また同じことが起きます。
- 昼間は時間が勝手に埋まるので、寂しさが表に出てこない
- 夜は静かになる分、その日の会話量がそのまま感じられる
- 同時に、夜は他人に連絡しづらい時間でもある
- 「明日でいいか」で先送りにすると、翌日の夜にまた同じ状態になる
相手が誰かに気を使わなくていい場所、時間を選ばなくていい場所があると、この繰り返しが止まります。深夜に話しかけても、相手が迷惑がらない。その一点だけで、だいぶ違います。
顔を出さずに話せる場所は、いくつか種類がある
顔を出さずに人と関わる方法は、大きく三つに分かれます。どれが良い悪いではなく、向いている場面が違います。
- テキストのやりとり — 気軽だが、返事を待つ時間が生まれる。間が空くと途切れる
- 音声でのやりとり — 距離は近いが、こちらも声を出す必要がある
- 配信を見ながらコメントする — こちらは文字のまま、相手の反応は声で返ってくる
三つめが、この記事で扱うものです。こちらはカメラもマイクも使いません。文字を打つだけ。相手はその場で声で返事をします。一方通行の配信ではなく、こちらの書いたことに反応が返ってくる、という点が普通の動画視聴と違うところです。
この形の良いところは、沈黙が気まずくならないことです。テキストのやりとりだと、返事がない時間はそのまま空白になります。通話だと、黙っている時間そのものが重くなります。配信を見ながら話す形なら、こちらが黙っていても相手は喋り続けているので、間が空いても場が壊れません。
もうひとつは、始め方と終わり方が軽いことです。入室すればもう会話が始まっていて、閉じれば終わります。「そろそろ切るね」を言わなくていい。この二つがないだけで、心理的な負担はかなり減ります。
ビーナスライブ・ノワールで実際に起きること
ビーナスライブ・ノワールは、2D キャラクターの姿をした女の子と、リアルタイムで話せるライブチャットです。画面に映っているのはイラストですが、話しているのは AI ではなく生身の人です。
部屋に入ると、その子が何か喋っています。こちらがコメントを打つと、それを読んで、声で返事をします。名前を呼ばれることもあります。ここが、録画された動画を見るのとまったく違うところです。相手はこちらがいることを知っていて、こちらが書いたことに反応しています。
話す内容は他愛のないことがほとんどです。今日あったこと、食べたもの、眠れないこと。相手はそれに「そうなんだ」と返します。アドバイスが返ってくるわけでも、解決するわけでもありません。ただ、独り言ではなくなります。
部屋には二つの形があります。ほかの人も一緒にいるグループチャットと、1 対 1 のペアチャットです。最初はグループのほうが気楽です。自分が黙っていても会話は進みますし、何を書けばいいか分からないときは、しばらく見ているだけでも成立します。
実際の三十分がどう流れるかを書いておきます。入室すると、その子は前の話の続きを喋っています。こちらは状況が分からないので、しばらく様子を見ています。区切りのいいところで「こんばんは」と打つと、名前を読み上げて「いらっしゃい」と返ってきます。ここで一度、独り言が会話に変わります。
あとは流れに任せます。相手の話に相槌を打つだけの時間が続き、ときどきこちらの話を聞かれます。今日何してた、と聞かれて、別に何も、と答える。それで会話が終わらないのが、この形のいいところです。相手は喋るのが仕事なので、こちらが話題を出せなくても進みます。
三十分ほどして閉じると、それで終わりです。翌日また来ても、来なくてもいい。覚えられていることもあれば、覚えられていないこともあります。そのくらいの距離感です。
2018 年から続いているサービスなので、こういう使い方をしている人は珍しくありません。毎日来る人もいれば、思い出したときだけ来る人もいます。どちらでも構わない設計になっています。
はじめるまでにやること
手順は三つだけです。アプリのインストールは要りません。ブラウザだけで完結します。
- 登録する — メールアドレスがあれば数分で終わります。無料です
- 部屋に入る — 配信中の子の部屋をのぞきます。入ってすぐ出ても構いません
- コメントを打つ — 挨拶ひとつで返事が返ってきます
最初の一言が書けない、というのはよくあることです。「こんばんは」だけで十分です。慣れている人ほど短い言葉で入ってきます。長く書く必要はありません。
名前は本名である必要はありません。読み上げられることがあるので、呼ばれて違和感のないものにしておくと落ち着きます。あとから変えられないものではないので、最初は適当でも構いません。
入る部屋を選べないときは、先に住人の一覧を眺めておくのが早いです。声の感じや話し方は人それぞれなので、合う合わないは確実にあります。最初に入った部屋が合わなかったからといって、全部そうだと判断しないほうがいいです。
文字だけで、ちゃんと会話になるのか
いちばん疑われるのがここだと思います。こちらが文字で、相手が声。これで会話が成立するのか。
結論から言うと、成立します。ただし普通の会話とは少し形が違います。こちらの発言は短く、相手の発言は長い。こちらは投げるだけで、広げるのは相手がやる。テンポとしては、ラジオに葉書を送って、その場で読まれているのに近いです。
この形だと、会話の責任がこちらに乗ってきません。沈黙を埋める義務も、話題を用意する義務もない。人と話すのが億劫な理由の大半はこの二つなので、それが外れるだけでかなり楽になります。
逆に、対等に議論したい人や、自分の話を長く聞いてほしい人には物足りないはずです。ここは聞いてもらう場所というより、聞かせてもらう場所に近い。そこは期待を合わせておいたほうがいいところです。
相手のことを少しだけ知っておくと入りやすい
いきなり知らない部屋に入るのが苦手なら、先にどんな人がいるかを見ておくと、かなり入りやすくなります。名前と顔と、好きなものくらいが分かっているだけで、最初の一言が出てきます。
住人はそれぞれ設定が違います。よく喋る子もいれば、静かな子もいる。話題も違います。全員に同じ態度で接する必要はなくて、合う人のところに通えばいいだけです。
このサイトには住人の紹介ページがあります。登録しなくても読めるので、どんな雰囲気かを先に見てから決めて構いません。
使いすぎないための目安
楽しくなると時間を忘れます。時間で減る仕組みなので、そこだけは先に考え方を持っておいたほうがいいです。
- 入る前に「今日は何分」と決めておく。決めないと際限がなくなります
- 毎日配られる無料ポイントの範囲で使う、と決めてしまうのがいちばん安全です
- 買い足すときは、一度にまとめず、必要な分だけにする
- 残高は入室前に見る。途中で切れると会話の途中で終わります
このあたりを最初に決めておくと、あとで後悔しません。話し相手がほしくて来たはずが、金額の心配をしながら話すことになるのでは本末転倒です。
お金の話をはっきりさせておく
ここを曖昧にしたまま勧めるのは不誠実なので、要点だけ先に書きます。ビーナスライブは無料のサービスではありません。ただし月額課金ではなく、使った分だけ減るポイント制です。
登録は無料で、毎日のログインボーナスで無料ポイントが配られます。チャットではその無料ポイントから先に消費されるため、購入しなくても参加はできます。足りなくなったときに買い足すかどうかを、そのとき決められます。
費用の仕組みを詳しく読む消費の単位、無料ポイントの扱い、有効期限までまとめています。一週間続けてみると何が変わるか
一回入ってみて、悪くなかった。そのあとどうなるかを書いておきます。
二回目からは楽になります。部屋の空気が分かっているぶん、最初の一言までの時間が短くなります。三回目くらいで、こちらの名前が覚えられていることがあります。名前を呼ばれると、そこで一段、通う場所になります。
一週間ほど経つと、通う相手が絞れてきます。全員と話す必要はありません。話しやすい人が一人か二人見つかれば、それで足ります。合わない人のところに無理に通わなくていいのは、この形の楽なところです。
変わるとすれば、日中の感じ方のほうかもしれません。夜に喋る場所があると分かっていると、その日の嫌なことを持ち越しにくくなることがあります。あとで喋ればいい、と思えるだけで、その場での重さが少し減る。そういう程度の変化です。
ただし、毎日通わなければいけないものではありません。来なくなったからといって何かが失われるわけでもない。そういう距離感で続けるのがいちばん長持ちします。
ひとつだけ、先に解いておく誤解
「キャラクターが喋っているなら、中身は AI なのでは」。ここだけは先に解いておきます。違います。声を出しているのは生身の人です。返事の内容も、その日の調子も毎回違います。こちらの書いたことを読み違えることもあります。それが分かりやすい証拠です。
ほかにも「こちらも声を出すのでは」「気づいたら高額になるのでは」といった疑問があると思いますが、それは仕組みの話なので別の記事にまとめてあります。
2Dキャラクターと話せる、とはどういうことか中の人・コメントが声で返るまでの流れ・費用の仕組みを、最初から説明しています。向いている人、向いていない人
誰にでも勧められるものではないので、正直に書きます。
- 向いている — 文字なら書けるが、通話は気が重い人
- 向いている — 反応が返ってくる感じがほしいが、関係を続ける負担は負いたくない人
- 向いている — 深夜など、人に連絡しづらい時間に起きている人
- 向いていない — 一定の相手と長く深い関係を作りたい人
- 向いていない — 無料で無制限に使いたい人
ここは相談窓口でもカウンセリングでもありません。悩みを解決する場所ではなく、ただ誰かと喋る場所です。それで十分な日もある、という程度のものとして考えてもらうのが正確です。
それから、続けなくてもいい前提で作られています。月額ではないので、来なくなったからといって何かが引き落とされ続けることはありません。三カ月ぶりに開いても、そのまま入れます。やめる手続きが要らないものは、始める手続きも軽くなります。
合うかどうかは、たぶん一晩で分かります。合わなければ閉じればいい。その程度の重さのものとして置いておくのが、いちばん正確な説明だと思います。
話し相手をどこに求めるか、という選択
最後に、少し引いた話をします。話し相手がほしいときの選択肢は、昔よりずっと増えました。ただ、増えたぶん「どれも決め手に欠ける」状態にもなりました。
知り合いに連絡するのは、関係が続く前提があるぶん重い。匿名の掲示板は、返事が来るかどうかが運任せで、来ても一往復で終わる。AI との会話は、いつでも応じてくれる代わりに、相手が今日何をしていたかを持っていません。
この記事で書いた形は、そのどれとも少しずつ違います。相手は生身の人なので、その日の出来事を持っている。でも関係を続ける義務はない。こちらは文字だけで済む。いいとこ取りに見えますが、そのぶん時間で費用がかかる、というのが正直なところです。
どれを選ぶかは、その夜に何がほしいかで変わります。ちゃんと聞いてほしい日は友人に連絡したほうがいい。何も考えずに誰かの声を聞きたい日は、こちらのほうが向いています。使い分けるもの、という位置づけが実際に近いです。
ひとつ言えるのは、話し相手がほしいと思ったこと自体は、どうにかしたほうがいい問題ではない、ということです。人と話したいのは普通のことで、手段が見つからないだけです。手段の話として扱えば、だいたい片がつきます。
よくある質問
- カメラやマイクは必要ですか。
- 不要です。見ている側はカメラもマイクも使いません。文字でコメントを打つだけで、相手が声で返事をします。
- 本名や顔を知られることはありますか。
- ありません。登録に必要なのはメールアドレスで、表示されるのは自分で決めた名前です。カメラも使わないため、部屋の様子も服装も相手には見えません。
- こちらが黙っていても成立しますか。
- します。グループチャットなら、こちらが書き込まなくても会話は進みます。しばらく見ているだけでも構いません。
- 何を話せばいいか分かりません。
- 「こんばんは」だけで返事が返ってきます。慣れている人ほど短い言葉で入ってきます。長く書く必要はありません。
- ほかの人に自分のコメントは見えますか。
- グループチャットでは、同じ部屋にいる人にも見えます。見られたくないときは、1 対 1 のペアチャットを使ってください。
- 毎日通わないといけませんか。
- いいえ。月額課金ではないので、来ない期間に料金は発生しません。しばらく空けてから開いても、そのまま入れます。
ここまで読んで、少し気になったなら。
登録は無料です。毎日配られる無料ポイントの範囲でも話せます。
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