眠れない夜が、長すぎるときに
二時を過ぎた。もう寝なければいけないのは分かっている。分かっているのに目が冴えている。
眠れない夜がつらいのは、眠れないこと自体よりも、時間が余ることのほうかもしれません。やることはない。眠気も来ない。ただ朝までの時間だけがある。
この記事は、その余った時間をどう過ごすかの話です。眠る方法の話ではありませんし、眠れない原因を説明するものでもありません。
想定しているのは「今夜はたまたま眠れない」という日です。眠れない状態が何週間も続いているなら、それは過ごし方を工夫して対処する話ではないので、医療機関で相談してください。
夜は、時間の進み方が変わる
昼間の一時間と、深夜の一時間は長さが違います。実際には同じなのですが、体感はまるで違います。することがない分、時間が厚く感じられるからだと思います。
昼間なら、退屈しても次の予定が勝手に来ます。誰かから連絡が来る。買い物に行く。仕事が始まる。時間を進めてくれる外部の力があります。夜はそれが全部止まります。自分で自分の時間を進めなければいけなくなる。
そして夜は、考えなくていいことを考える時間でもあります。昼間は忙しくて思い出さなかったことが順番に出てくる。眠れない夜がしんどいのは、たいていこの部分です。
- 予定が何もないので、時間を進める力が自分だけになる
- 静かなぶん、その日にあった嫌なことが思い出しやすい
- 誰かに連絡するには遅すぎる時間帯である
- 明日への不安が、寝る前にいちばん濃くなる
眠ろうと努力するほど目が冴える、というのもよくあることです。眠らなければいけないと思うこと自体が緊張になるからです。だとすると、その晩に限っては、眠ろうとするのを一旦やめてしまったほうが気が楽になることもあります。あくまで今夜の話で、毎晩そうしていいという意味ではありません。
スマートフォンを見ると、余計に目が冴える
とりあえずスマートフォンを開く。これは誰でもやります。ただ、開いたあとにやることによって、その後の三十分がかなり変わります。
SNS を眺めるのは、いちばん手軽で、いちばん向いていません。他人の充実した時間が並んでいるのを深夜に見て、気分が良くなることはあまりないからです。情報量も多い。切りどころもない。気づくと一時間経っていて、しかも何も残っていません。
動画を流しておくのは、まだましです。ただ、録画された動画はこちらの存在を知りません。画面の中で誰かが喋っていても、それはこちらに向けられた言葉ではない。それが分かっているぶん、寂しさが埋まらないことがあります。
つまり、夜に効くのは情報ではなく、反応です。こちらが何か言ったら、それに対して何か返ってくる。その往復が一回でもあると、独りでいる感じがだいぶ薄まります。
深夜に起きている人と話せる場所
深夜に人と話すのが難しいのは、相手の都合があるからです。知り合いは寝ている。起こすわけにはいかない。だから話せない。
この前提が変わるのが、最初からその時間に起きている人がいる場所です。相手が深夜に活動している前提なら、こちらが気を使う必要はありません。二時に話しかけても、迷惑にはなりません。
ビーナスライブ・ノワールは、2D キャラクターの姿をした女の子と、リアルタイムで話せるライブチャットです。画面に映っているのはイラストですが、話しているのは AI ではなく生身の人です。こちらはカメラもマイクも使いません。文字でコメントを打つと、相手がその場で声で返事をします。
ここで大事なのは、相手が「起きている」ことではなく「起きていて、話す用意がある」ことです。深夜のコンビニに人がいても話しかけられないのと同じで、ただ人がいるだけでは会話にはなりません。話しかけていい場所である、というのが効きます。
深夜の部屋で実際に起きること
深夜の配信は、昼間より静かです。人が少ないぶん、こちらのコメントが拾われやすくなります。
入ると、その子は何か喋っています。特に用事のある話ではありません。今日食べたもの、見た夢、寒いとか眠いとか、その程度のことです。こちらが「こんばんは」と打つと、名前を読み上げて返事が返ってきます。
「眠れなくて」と打てば、「私も」と返ってくることがあります。それだけです。解決はしません。ただ、起きているのが自分だけではないことが分かります。眠れない夜に効くのは、たぶんその程度のことです。
部屋には二つの形があります。ほかの人も一緒にいるグループチャットと、1 対 1 のペアチャットです。深夜は人が少ないので、グループでもほぼ 1 対 1 のような会話になることがあります。
会話が続かなくても問題ありません。相手は喋るのが役割なので、こちらが黙っていても場は進みます。返事を考えなくていい会話、というのは夜にはちょうどいい重さです。
声を聞くと落ち着く、という単純なこと
なぜ文字ではなく声なのか、という話をしておきます。
文字のやりとりは、読む作業が要ります。目を使いますし、意味を取る手間もかかります。深夜の頭にはこれが少し重い。対して声は、ただ流れてくるだけで届きます。何もしなくていい。
それに、声には内容以外の情報が入っています。眠そうとか、機嫌がいいとか、風邪気味とか。文字では落ちてしまうものが残ります。相手が生きて今そこにいる感じは、たぶんそこから来ます。
こちらは文字で、相手は声。この非対称が、夜には向いています。こちらは喋らなくていい。部屋が静かなままでいい。それでも会話は成立します。
朝までの時間を、どう割るか
眠れないと決まった夜は、朝までの時間を潰す前提で組み立てたほうが楽になります。眠ろうとして失敗し続けるより、そのほうが精神的な消耗が少ない。
おすすめの割り方があります。最初の三十分は誰かと話す。そこで一日の残りかすを吐き出してしまう。そのあと部屋を閉じて、何も考えなくていい作業に移る。洗い物でも、部屋の片付けでも構いません。手が動いていると頭が止まります。
順番が逆だとうまくいきません。先に一人で作業をすると、考えごとがずっと頭に残ったままになります。人と話す工程を先に置くと、そこで一度リセットされます。
- 最初の三十分 — 誰かと話す。考えていたことをそこで出してしまう
- 次の一時間 — 手を動かす作業。頭を使わないもの
- 残りの時間 — 明かりを落として横になる。眠らなくてもいい
眠れなくても、横になって目を閉じている時間には意味があります。眠らなければいけないと思わずに済むと、そのまま眠れることもあります。
ひとりで過ごす夜と、何が違うのか
ひとりで夜を過ごすこと自体は、悪いことではありません。静かなほうがいい日もあります。ただ、ひとりでいるとどうにもならない日が月に何度かある、という人は多いと思います。
その日に足りていないのは、たぶん情報でも娯楽でもありません。自分の発言に反応が返ってくる、という経験です。一日誰とも話さないと、自分が何を考えているかも曖昧になります。喋ってみて初めて、自分が何に苛立っていたか分かることがあります。
相手が何か言ってくれるからではなく、自分が喋ることに意味がある、という側面があります。だから相手は、深い話を聞いてくれる人である必要はありません。適当に相槌を打ってくれるだけで足ります。
この「適当に相槌を打ってくれる相手」を、深夜に確保するのが難しい。それだけの話です。知り合いに頼むには重すぎるし、AI では今日の出来事を共有していない。中間がありません。
最初の一言が出てこないとき
入ってはみたものの、何を書けばいいか分からない。これはほぼ全員が通ります。
結論を言うと、「こんばんは」で足ります。慣れている人ほど短い言葉で入ってきます。深夜なら「眠れない」だけでも成立します。面白いことを言う必要はありません。
それも書けないときは、しばらく見ているだけで構いません。グループチャットなら、こちらが黙っていても会話は進みます。五分ほど聞いていると、その子の話し方が分かってきて、口を挟むタイミングが見えてきます。
名前は本名である必要はありません。読み上げられることがあるので、呼ばれて違和感のないものにしておくと落ち着きます。
深夜に使うときに気をつけること
良いことばかり書くのは不誠実なので、注意点を書きます。
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深夜にとくに効いてくるのは、時間で減るという点です。眠くないまま話していると、平気で二時間経ちます。入る前に「今日は三十分」と決めておくと、翌朝の後悔が減ります。
費用の仕組みを詳しく読む消費の単位、無料ポイントの扱い、有効期限までまとめています。それと、眠れない状態が何週間も続いているなら、それは過ごし方の工夫でどうにかする話ではありません。この記事が扱っているのは、たまたま今夜眠れない、という程度のことです。
翌朝に響かせないために
深夜に人と話すと、そのぶん寝る時間が遅くなります。ここを無視して勧めるのは無責任なので、対処を書いておきます。
いちばん効くのは、入る前に終わりの時刻を決めることです。「三時まで」と決めて、来たら閉じる。これだけで翌朝がかなり違います。決めずに入ると、会話が途切れないので出るきっかけがありません。
端末のアラームを一つ仕掛けておくのも有効です。話していると時間の感覚が飛びます。二十分のつもりが一時間半だった、というのは普通に起きます。
- 入る前に終わりの時刻を決める。決めないと出られません
- アラームを一つ仕掛けておく。会話中は時計を見ません
- 閉じたあとは画面を見ない。明るい画面が目を覚まします
- 翌日が早いときは、そもそも入らない判断も要ります
話すこと自体が悪いのではなく、際限がなくなるのが問題です。区切りを外から用意しておけば、この形はかなり扱いやすくなります。
眠くなったら、そのまま閉じていい
この形の良いところは、終わり方が軽いことです。
知り合いとの通話なら、切るタイミングを計ります。「そろそろ寝るね」と言って、相手の返事を待って、それから切る。眠い頭にはこの手続きが面倒です。
ここでは、閉じれば終わりです。挨拶がなくても失礼にはなりません。次に来たときも、前回の途中で消えたことを責められたりはしません。関係が続く前提がないぶん、出入りが自由です。
毎晩来る必要もありません。眠れた日は来なくていい。三カ月ぶりに開いても、そのまま入れます。月額ではないので、来ない期間に何かが引き落とされることもありません。
深夜の部屋にいるのは、どういう人たちか
深夜に見知らぬ人がいる場所、と聞くと身構えるかもしれないので、その点も書いておきます。
グループチャットには、同じように眠れない人が何人かいます。特別な事情がある人ばかりではありません。夜勤明けの人、時差のある場所にいる人、単に夜型の人。理由はばらばらです。
会話の内容も、たいていは他愛のないことです。何を食べたとか、寒いとか、明日仕事だとか。深刻な話をしている人はほとんどいません。むしろ、深刻な話をしなくていい場所として使われています。
ほかの参加者と直接やりとりする必要もありません。こちらが話しかけるのは配信している子だけで、ほかの人のコメントは読み飛ばして構いません。人間関係を作りに行く場所ではないので、そこの負担はありません。
人に見られたくないときは、1 対 1 のペアチャットを使えば、こちらのコメントはほかの人に見えません。
向いている夜、向いていない夜
万能ではないので、正直に書きます。
- 向いている — 目が冴えていて、朝までの時間を潰したい夜
- 向いている — 誰とも喋らなかった一日の終わりに、一往復だけしたい夜
- 向いている — 通話は無理だが、反応はほしい夜
- 向いていない — 具体的な悩みを聞いてもらって整理したい夜
- 向いていない — とにかく早く眠りたい夜。刺激が増えるので逆効果です
ここは相談窓口でもカウンセリングでもありません。話を聞いて解決してくれる場所ではなく、ただ誰かと喋る場所です。眠れない夜にそれで十分なことがある、という程度のものとして考えてもらうのが正確です。
合うかどうかは一晩で分かります。合わなければ閉じればいい。そのくらいの軽さのものとして置いておくのがちょうどいいと思います。
眠れない夜を、悪いものにしないために
最後に、少しだけ引いた話をします。
眠れない夜がつらいのは、その時間が失われた時間だと感じるからだと思います。本来なら眠っていたはずの時間。明日に響くと分かっている時間。そう思っている限り、何をしていても焦りが消えません。
もちろん、睡眠が足りなければ翌日はつらくなります。それは事実です。ただ、一晩の遅れを取り返そうと焦っても、その夜に眠れるようにはなりません。取り返せないものとして一旦脇に置くと、残りの時間の使い方が変わります。
誰かと少し喋って、手を動かして、明かりを落とす。それで朝が来る。眠れなかった夜も、それくらいの扱いにしておけば、翌晩の緊張が少し減ります。眠らなければという圧が抜けると、結果的に眠れることもあります。
この記事で書いたのは、その二時間の埋め方の一つです。夜に起きている人がいて、話しかけていい場所がある。それを知っているだけで、次に眠れない夜が来たときに少し楽になります。
2018 年から続いているサービスなので、こういう時間帯の使い方をしている人は珍しくありません。毎晩来る人もいれば、眠れない夜にだけ来る人もいます。どちらでも構わない設計になっています。
よくある質問
- 深夜でも誰かいますか。
- 配信している人がいる時間帯であれば入れます。生身の人が配信しているため、常に全員がいるわけではありません。誰がいつ出るかは公式サイトの配信スケジュールで確認できます。
- 声を出さずに参加できますか。
- できます。使うのはキーボードだけです。家族が寝ている時間でも音を立てずに参加できます。
- 途中で抜けても大丈夫ですか。
- 問題ありません。閉じれば終わりで、退出の挨拶も不要です。眠くなったらそのまま閉じてください。
- 深夜の部屋には、どういう人がいますか。
- 夜勤明けの人、時差のある場所にいる人、単に夜型の人など、理由はばらばらです。会話の内容もたいていは他愛のないことで、深刻な話をしている人はほとんどいません。
- ほかの参加者とやりとりする必要はありますか。
- ありません。話しかけるのは配信している子だけで、ほかの人のコメントは読み飛ばして構いません。
- 眠れないのが続いているのですが。
- この記事が扱っているのは、今夜たまたま眠れないという程度のことです。長く続いている場合は過ごし方の工夫で対処する話ではないため、医療機関にご相談ください。
ここまで読んで、少し気になったなら。
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